すでに報道でも知ってる人がほとんどですが
テニスの大坂なおみ選手が全米オープンで
日本人初のシングルスグランドスラム優勝を果たしました!
でも、アジア人初ではないんですね。
アジアでは中国のリー・ナさんが全仏と全豪を制しており
ダブルスでは今はコメンテーターとして活躍中の杉山愛さんが
全豪以外を制覇しています。
でも、これはすごい偉業なんですよ!
サッカーで言えば、W杯を優勝しちゃうくらい
競馬で言えば、凱旋門賞を勝っちゃうくらいかな。
試合をテレビ中継で生観戦していましたが
テニスを見てきて10数年・・・今までにないくらい
異様な雰囲気での試合でしたね。
決勝の相手は現役最強女王のセレナ・ウィリアムズでしたが
彼女は世界の女性アスリートでもっとも賞金を稼いだアスリートで
アメリカのみならず世界的な女性アスリートで
なおみちゃんも憧れの選手でした。
報道にもあるようにセレナのコーチが試合中にボディランゲージで
セレナにアドバイスを送ったことによるペナルティを課せられ
そこでセレナが審判に猛抗議し、そこから会場がブーイングの嵐となり
挙句の果てには表彰式でもブーイングが鳴り止まないという事態になりました。
そもそもの要因はなおみちゃんがセレナを圧倒し続けるプレーを続けたことでしょう。
セレナは今の女子テニスでのパワーテニスを普及させた第一人者です。
これにより体格で劣る日本人選手は全く勝てなくなりました。
もちろん、テクニックに秀でたプレーをしていたマルチナ・ヒンギスなども
ランキングをどんどん落としていったのです。
パワーでねじ伏せるプレーで女王に君臨したセレナは
数々の栄光を手にしたわけですが、他の女子選手も強打中心のプレーが
ほとんどになりましたが、圧倒的な力を持つセレナには太刀打ちできませんでした。
例えば、シャラポワなども強打中心の選手ですが、セレナには全く勝ててません。
逆にセレナが負けるタイプとしてはとにかくボールを粘って返せるような
テクニック型だったり、フットワークがすごい選手に
苦杯をなめさせられることが多かったですね。
最近だと、ケルバーやムグルッサやハレプなどがそのタイプですかね。
なおみちゃんも180センチから繰り出される200キロ超えのサーブと
強打を中心にプレーするパワー型です。
セレナにとっては相性がいいはずのプレーヤーなのですが
この試合ではセレナはなおみちゃんに圧倒されてしまいます。
自分が見てきた中ではセレナがパワータイプの選手にあれだけ
圧倒されることは見たことがありません。
セレナにとってはショックだったでしょう。
自分の武器であるパワー以上のものを見せつけられたのですから。
そんな中、セレナのコーチがボディランゲージで
セレナに指示を送った場面を審判が見たことで警告を与えます。
セレナのコーチは指示を送ったことを認めたそうですが
セレナは「コーチが試合中に指示を送ったのを私は見ていない」と
猛抗議をし、それが尾を引いてプレーが雑になっていきました。
そして、ストレスが頂点に達したセレナはラケットを叩き折ってしまいます。
これにより2度目のペナルティ、さらに審判に暴言を吐いて3度目のペナルティと
どんどん墓穴をほってしまったわけです。
とにかくそんな荒れた中でも自我を失わずプレーしたなおみちゃんは
素晴らしかったということなんですけどね。
それではなおみちゃんがセレナに勝てた理由を書いていきます。
それは「心・技・体」がしっかりしていたということです。
まずは心の部分はそんな荒れた試合の中でも平常心で試合をできるだけの
メンタルが彼女にはあったということです。
なおみちゃんは半年前は試合中に自分のプレーに納得できずに
泣き出してしまうほど、メンタルが課題でした。
そんな子があの異様な雰囲気にも飲まれず、完全アウェーの中
メンタルを保ち続けたことは素晴らしいことです。
次に技。彼女はサーブと強打が武器でしたが、それだけだったんですね。
とにかくラリーでもセレナに打ち負けないショットの正確さを身に着けたことは
練習の賜物だと思いますね。
最後に体。彼女は体重が少し重かったんですよね。今回は体をしっかり絞ったことで
フットワークも良くなって、ボールにしっかり追いつけていましたし
体幹トレーニングできつい体勢でもパワーを落とさずにカウンターショットが
打てていたので、不利な状況も打開していました。
次にセレナがなぜあんな暴挙とも言うべき行動に出てしまったのか
ということですが、先述の通り、パワーで圧倒され、思い通りの試合が
全くできない自分にイライラしてしまったことが一番でしょうが
セレナが「性差別だ!」などと審判を罵ったことに関しては
彼女自身が女性差別、肌の色の差別などと長年戦ってきた経緯もあります。
セレナも36歳で出産からカムバックしてきたということと
出産後に血栓症を患い、復帰に時間がかかりようやく復帰後にグランドスラムを
優勝するチャンスが巡ってきたわけですから、是が非でも勝ちたかったでしょう。
36歳という年齢を考えても、いくらトレーニング技術が発達してきたとはいえ
彼女のキャリアも長くはないというのは容易に想像ができます。
もしかしたら、この全米に優勝していたら有終の美として引退したかもしれません。
優勝インタビューで日本のメディアではカットされていますが
セレナは準優勝のスピーチで現役続行を表明しています。
彼女はこのままでは終われないということだけは気持ちの整理がついたとも言えます。
ちなみに世界や業界の反応ですが、テニスファンからはセレナの行為やスタジアムの
ファンのブーイングの行為にはかなり批判的な意見がほとんどで
セレナはこの行為で今までの輝かしいキャリアを醜いものにしたなどと
アメリカや世界のメディアもこぞって批判的な記事を出しています。
一方、擁護しているのは全米オープンの主催者側であるアメリカのテニス協会と
世界女子テニス協会はセレナを擁護するコメントを出していますが
かえって火に油を注いでしまった結果になってしまっています。
あとはハリウッド女優のほとんどがセレナを擁護しているコメントを出しています。
これについてはハリウッドの男性俳優と女優でのギャラの格差が問題化していて
女性問題を一緒に戦っている盟友として擁護しているようですね。
ちなみになおみちゃんはアメリカ版の「徹子の部屋」とも言える番組に出演。
謙虚な人柄に更にファンが増えたようで、好きな俳優を尋ねられて
彼に向けて司会者の方とセルフィーを撮って、司会者が半ば強引にインスタに
写真をアップしたところ本当にその俳優からリプが返ってくるという事態に発展・・・w
こういうところはアメリカらしいなぁと思いますね。
そんななおみちゃんは今週は日本で試合をしています。
全仏優勝経験のあるムグルッサや元世界1位のアザレンカ、現世界2位のウォズニアッキと
実力者揃いの大会でどんな戦いをしてくれるか楽しみですね。
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